サーフィン初心者がショートボードに乗るのは無謀なのか?
サーフィンといえばやっぱりショートボードの方がかっこいい!
もともとショートがやりたくてサーフィンを始めたのにファンやロングに乗っている方も多いと思います。
今日はショートボードに初心者が乗ることが”無謀”なのかどうかについて書きたいと思います。
目次
サーフィン初心者が選択可能なサーフボード
まずはサーフボードのカテゴリについて考えてみます。
サーフボードは大きく分けると3種類あります。
● ショートボード
文字通り短いボードです。
大会などの規定で言うと、ロング以外のものはすべてショートボードになるのですが、一般に言われているのは長さが2メートル以下の短いボードとなります。
● ファンボード
誰でも手軽に楽しめるという感覚で作られているボードです。
初心者の方はこのボードに乗っている方が多いんじゃないでしょうか?
長さ的には、ロングよりも短く、ショートよりも長いという感じです。
比較的厚みもあり、浮力がショートよりも多いのが特徴。
● ロングボード
ロングというと長いというイメージですが、ロングというと2メートル70センチ以上のものを指します。
幅も長さもあるので、見るからに大きい、長いという事で分かると思います。
大きく分けるとこの3つなのですが、大会などに出る方は2つのカテゴリに分けられます。
ファンボードクラスという初心者向けのクラスもある場合もあります。(その大会独自のクラスとなります)
各ボードの特徴
次は各ボードの利点を見ていきましょう
サーフィンをするのに、どれがダメでどれが良いというのはありません。
私が思うに、自分の好きなボードに乗れば良いと思っています。
まずは簡単に各ボードの特徴を見ていきましょう
● ショートボードの特徴
ショートボードはとにかくアクションがしやすいというのが特徴です。
例えばプロサーファーなどは、ファンボードのような浮力のある板に乗らないと思います。
特に大会では。
サーフィンの醍醐味である”リップアクション”がやりやすいからです。
アクションがしやすく、回転性も良く、扱いやすいという特徴があります。
その分基本テクニックとしての、パドリングや波のキャッチでは若干劣ります。
● ファンボードの特徴
ファンボードは、ロングとショートのいいとこ取り。
だと思ってしまいがちですが、実際にはロング寄りですね。
”ショートボードの良いところも入っている”と思ってしまうと、それは間違いであることに気づきます。
もしそれを望むのであれば、ショートボードで浮力を出すという選択肢が良いでしょう。
ファンボードは、ロングよりは取り回しも持ち運びも楽だけど、ショートだとちょっと…という方に向いています。
ですがあくまでも使用用途が限定的ですので、波の無い時に遊ぶボードとか、ちょっとやってみたいという感じで使う方には良いかもしれません。
● ロングボードの特徴
とにかく長いので取り回しはしづらいです。
ロングでもほとんどショートボードのように動く、薄くて軽いのは、プロのロングボーダーなどが使っています。
通常ロングというと、幅も厚みもあって、浮力があるのが特徴です。
波の無いところでは、波のキャッチが早く、パドリングも比較的安定しているので、基本的なことを省いて、とにかく乗ってみたいという方には良いかもしれません。
車に積みづらい、持ち運びが不便という事もありますが、やってみたいという方には良いかもしれません。
各特長はいろいろとありますが、入るポイントや体力スキルレベルに応じて選ぶ必要があります。
ロングとショートのメリデメ
それでは、サーフィンを上達するという視点で、ショートとロングのメリデメを考えてみましょう。
私が思うに、ファンとロングはほとんど一緒です。
車に積みづらい、持ち運びが不便だからロングはちょっとという方にはその辺のメリットくらいでしょうか?
なのでファンボードの方はロングと同じような感覚で見ておいてください。
◆ショートボードのデメリット
ショートボードはロングと比べると浮力が少ないです。
浮力が少ないため、これから始める人にとっては、パドリングの姿勢が取りづらいというデメリットが一番でしょう。
そして、波のキャッチも浮力がある板よりは遅くなるので、デメリットとも言えます。
私が思うにこのデメリットは、考え方によってはデメリットではないので、このデメリットを使って練習もしていきます。
後は上達に関係ないですが、グラスファイバーの巻きが薄いショートなどは壊れやすいなどのデメリットもあります。
◇ショートボードのメリット
ショートボードのメリットは、とにかくアクションがしやすいという事です。
サーフィンというものはスポーツなので、アクションがしやすいかしづらいかというのは大きなメリットですね。
ボードに乗って、波の上を滑ってアクションをするというのが、そもそもサーフィンというものなので、アクションをしやすいかしづらいかというのは重要な項目です。
持ち運びがしやすい、比較的安い、中古などでも本数が多いなども上達には関係ないメリットとしてはあります。
そして、沖に出る際にドルフィンスルーという水の中に潜る動作がしやすいです。
沖に出る際には、板ごと水に潜れるのは大きなメリットとなります。
◆ ロングのデメリット
ロングは浮力が大きいため、ショートボードのメリットがロングのデメリットになります。
浮力があるという事は、体積が大きく重くなります。
長さも出るので
取り回しがしづらくなり、アクションが重くなります。
プロロングボーダーなどがつかう軽いボードもあるのですが、上級者でもなければわざわざ軽いロングを使う方も少ないですね。
持ち運びづらい、比較的価格が高いなどのデメリットもあります。
そして、ロングは沖に出る際に波をやり過ごす
ドルフィンスルーがしづらいというデメリットがあります。
確かにパドリングは進むのですが、波を超えることが難しいので、サイズのある波には不向きです。
◇ ロングのメリット
ロングはその長さと浮力を活かして、パドリングが進みやすい、波をキャッチしやすいというメリットがあります。
波に乗るという事だけで見れば、ロングはメリットが大きいです。
特に初心者の方や、これから始める方には、浮いていること自体も楽ですし、小さい波やパワーの無い波でしたら、自力で板の上に立つだけなら特に難しいことはないでしょう。
サーフィン初心者のショートボードは実際無謀なのか?
結論から言うと
無謀でもなんでもありません。
私は過去に数千人にアドバイスして
実際に600人以上にお会いして直接レッスンしてきました。
現在1000名以上の会員の方にレッスンをしていますが、ショートボードで出来ないという方は居ません。
どちらかというと、思い切って本格的なショートボードにしてしまうと、
”浮力のある方が無謀”
という事に気づくでしょう。
沖に出れるだけでサーフィンになる
特にサーフィンは波に乗らないと始まらないのですが、波といってもうねりからしっかり乗るためには沖に出る必要があります。
沖に出ることさえできれば、うねりから波を追う練習が出来ますし、うねりから乗るチャンスも増えていきます。
浮力があると、せっかく沖に向かって進んだ分が1本の波によって岸まで押し戻されてしまいます。
ドルフィンを腕を伸ばしたら板だ沈むという位の浮力で初心者の方は練習すると、後々苦労しなくて済みます。
パドリングの芯が出来る
パドリングに関しても、最初はぐらぐらするものの、数時間でそれは収まってくるでしょう。
数時間も練習するのが嫌なのであれば、その後上達していってもっと難しいテクニックを覚えるのは難しいです。
パドリングも海の上では唯一の移動手段であるわけですから、初心者のころから逃げずにしっかり練習しておく必要があります。
海での移動手段が”非効率的”な方がサーフィン上達するとはとても思えませんし、実際に私が教えてきている方の中では、それで上達している方は居ません。
ショートボードが無謀なのではなく、練習をしないで浮力に任せたサーフィンで上達しようという方が無謀なのです。
サーフィン初心者がショートボードに乗る際の考え方
まず、初心者の方はご自分のスキルを確認してみてください。
・パドリングはブレないか
・ドルフィンは出来るか
・ある程度(ムネカタくらい)で沖に出られるか
・それ程漕がないで波をキャッチできるか
・立つ動作は安定しているか
この辺は基礎的なことが出来ていればそれほど問題は無いと思います。
まずこの辺が怪しい、または出来ない方は、一度浮力を下げて
・パドリングの芯を作る
・正しい姿勢で漕げるようにする
・正しいパドリングストロークをする
・板の乗る位置も合わせる
・腕の回し方も小売りの良い動きに変える
・ドルフィンの練習をしておく
・漕がなくても波がキャッチできるように
・立ち上がり動作でバランスを崩さないように
・お尻を上げないで立ち上がれるように
もっとたくさんの練習項目はあります。
全て出来なければいけないのではなく、出来るだけ多く出来る方が上達が早いんです。
一度に全部得ようとするよりは、底辺から一つ一つ練習していけば確実に上達していきますし、上達できるベースが出来ていきます。
サーフィン初心者の方は、この辺をしっかり練習することをお勧めします。
初心者の方がショートボードに乗る際の練習方法
サーフィン初心者の方は
”練習することが楽しい”
という思考を最初からつけていくと良いです。
練習するたびに上達していく。
そう考えれば、サーフィン自体が楽しくなっていきます。
『なんで自分が好きでやっているサーフィンを練習する必要があるのか?』
『そんなのやってたら乗れなくなる』
『常にベストでいたい』
そんな思いをする方は多いと思います。
私はどちらでも楽しいと思います。
1、毎回好きなようにサーフィンすること
2、毎回サーフィンの練習に行く
これはどちらの方も楽しいと思います。
ですが上達するのはどちらかというと
2の方です。
1の方も最初は上達していくと思いますが、やはり基礎が出来ていないと、始めてから数年で上達が止まると思います。
5年やっていて上級者ではない方、10年もやっていてプロになれない方、または2級レベルになれていない方を見てみてください。
私は3年で2級を取りましたが、その後いまだに上達し続けています。
私と同時期に始めた方で、
プロになった方、私と同じようにライダークラスになれた方と
同時期に始めているのに、3級が取れるか取れないかのレベルで止まってしまっている方
その差は
”テイクオフを含めた基礎”
なんです。
しっかり基礎を練習していかないと上達が止まります。
どんな練習をするのか?
練習項目としては
・パドリングを芯で行う
・腕の使い方ストロークを正しくする
・板に乗る位置は一定に
・足を閉じてパドリング
・ドルフィンの沈め方タイミング
・波を追う時の姿勢
・波を追う時のストローク
それこそ無数にあります。
この辺から練習するとなると
ファンやロングでは出来ません。
特にボードのバランスや、タイミングなどはファンやロングでは、勝手にバランスがとられているので必要ないからです。
必要ないというと誤解がありますが、必要ないと思いがちなのです。
ショートボードの方がロングに乗るとテイクオフは早くなり、すぐに乗れます。
ライディングもすぐに出来ます。
ですが
ロングやファンの方にショートを乗らせると、パドリングもままならない方も居ます。
これは
いかにパドリングの芯が無いか?
という事なんです。
パドリングの芯が無いということは、進む効率が悪いという事です。
ボードの芯で漕げないと上達しない?
ボードの推進力を、ボードの芯でとらえられないと、ボードは進む力をすぐに失ってしまいます。
まずはボードの芯を取ることからしっかり練習して下さい。
難しいと思いがちですが、案外やってみると数時間でも十分上達します。
最初はぐらぐらでも1時間もやっていると慣れてきます。
最初は基礎だと思って我慢して練習することで、上達していく道にシフトすることが出来ますよ。
ショートボードに乗ることで得られる楽しみ
ボードの芯で乗ることが出来れば、ショートからロングまでなんでも楽しめます。
特にショートボードでのアクションが楽しめるという事は、皆さんがもともとイメージしていたところじゃないでしょうか?
ファンボードやロングから始めて、上手くなったら乗り換えてショートにするという考え方で上達した方はほぼみたことがありません。
先ほどの練習方法を実践してみてください。
まずは5回で良いのでショートに乗ってみてください。
その後、今まで乗っていたファンや浮力のあるボードに戻してみてください。
パドリングは進むようになっているし、テイクオフも早くなって安定していると思います。
それがショートボードで練習をする効果です。
たった5回ショートに乗るだけで、体はボードの芯で漕げる能力を身に着けます。
そうなるとファンやロングでも、自動的にブレないパドリングの範囲ではなく、浮力に頼らずともしっかり芯で漕げるようになるので推進力も増しますし、パドリングの最高速度も高くなります。
そうなってくると、今まで乗れなかった波も乗れるようになってきますね。
ではもっとショートボードで練習すれば、もっと上達できるのではないか?
と考えるのが普通だと思います。
その通りですね。
そしてそうやっているうちに、浮力のあるファンやロングに乗る必要のないことに気づいてくると思います。
ここまで読んでいただければ、ショートボードにはデメリットはあるが、それがデメリットではないという事に気づいていただけたかと思います。
そして上達するためには何が必要かわかっていただけたかと思います。
詳しい練習内容は会員サイトで紹介していますが、まずは無料の会員でも練習項目は一部見ることが出来るので、ぜひ見てみてくださいね。
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